(一財)茨城県建設技術公社の社会貢献事業(新技術等の試行事業)を活用し、AI画像技術を活用した羽鳥駅利用者の属性把握を行いました。
■調査概要・目的
羽鳥駅自由通路東口側に設置されている防犯カメラ1台の映像に対し、AI画像解析技術を活用し、通行経路における性別、年代ごとの利用者数のデータ抽出を行い、あわせて比較検討用に映像の目視確認を行います。
これらのデータにより、羽鳥駅利用者の客観的なデータが把握できますとともに、今後、羽鳥駅東口市有地の利活用を含めた羽鳥駅周辺のまちづくりに活かしてまいります。
■調査対象期間
2020年9月12日 0:00 ~9月18日 23:59(計7日間)
■調査項目
1. 通行経路別 6経路
(1)西口から改札へ入った利用者
(2)東口から改札へ入った利用者
(3)改札から西口へ出た利用者
(4)改札から東口へ出た利用者
(5)西口から東口へ通った利用者
(6)東口から西口へ通った利用者
2. 属性
(1)性別 2種別(男性,女性)
(2)年代 5種別
(15歳以下、16歳以上30歳以下、31歳以上45歳以下、46歳以上60歳以下、61歳以上)
■調査結果から(利用者の傾向) データは1日平均あたり
〇利用者総数は延べ3,096人
〇東口利用者が西口利用者の約1.6倍
※東口利用者延べ2,099人 西口利用者延べ1,339人
〇平日利用者が土日利用者の約2倍
〇性別では男性利用者が女性利用者の約1.1倍
〇年代別では16歳以上30歳以下が全体利用者の約6割
■AI画像解析技術の検証
1. 成果の考察
目視とAI画像解析の調査の間で差異が見られており、その要因としては主に以下のものが
考えられます。
(1)通行経路別の人数について
計測ラインの通過位置や混雑時の人物重なりによる影響
(2)性別・年代別の人数(属性)について
マスク・帽子やカメラに対する人物向きによる影響
2. 実用化に向けて
AI画像解析技術を駅利用者調査等に導入させるためには、現状より精度を向上させる必要が
あり、具体には以下のような対応が必要と考えます。
(1)通行経路別の人数について
準備計画段階において、撮影するカメラの位置・高さ・方向を精査し、最も判別に適した
画角の選定。
(2)性別・年代別の人数(属性)について
マスクや帽子を装着した人物の解析精度を上げるような製品技術の向上。